【1万円選書で届いた本】読書感想レビュー

【1万円選書で届いた本】読書感想レビュー

大勢の応募者の中から、運よく当選した「いわた書店の1万円選書」。

心を込めて選んでもらったので、無意識的に本を読むのも心を静めてから読みたいんですよね。

実はまだ全部読めていないんですが、心の余裕がある時にじっくり読むのが楽しみなので、かなりのんびりした進度ですが、随時感想を書き留めていきます。

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さざなみのよる / 木皿泉

さざなみのよる

とてもいい本でした。

読み始めてこんなに最初の方から泣き続けた本は初めて

本の帯に「テレビで紹介された書店員が選ぶ “泣ける本 第1位 ” 」(2018/8/30放送)と書いてあったけど本当だった。

特に前半はティッシュを何枚使ったことか。

死ぬこと。生きること。

大丈夫。どっちもいうほどたいしたことないし、

図書館の本を借りて返すぐらいのことなのかもしれない。

あらすじもよく知らずに読み始めたけど、知らなくてよかったのかもしれない。

人にはうまく説明できないけど、ふとした瞬間、自分の中で何かがつながって

一瞬で理解してしまうことがある。

そうか、あれが本当の私だったのか。

そんな瞬間がつまった本。

また10年後、20年後、読みたくなる本。

今、何かに追われていたり、不安や絶望や焦りがあったら、

この本の主人公が肩の力を抜いてくれます。

大丈夫、まだ生きてるし。

カーテンコール / 加納朋子

カーテンコール

最後は両方の鼻が詰まるぐらい泣いてしまいました。

全部で6つのストーリーがあるんですが、

それぞれ主人公が違うものの、みんな最後にはつながっていくんです。

最初は甘酸っぱい青春ものなのかな?と思っていたら…

頭から水を浴びたような展開にハッとし、

また、ほかのストーリーでも別の視点が入ってハッとなる。

最後に思ってもみなかった”くくり”とメッセージにハッとし、胸が熱くなってしまいました。

『あなたは素晴らしい』

この本に出てくるのは、それぞれに事情がある落ちこぼれ学生たち。

でも、この本を読むとそれもなんだか愛おしくなってしまうんです。

誰にでも事情はあるし、人それぞれ。

もし耐えられないと思った時は、自分の足で逃げること。

「助けて」と言える人を探すこと。

自分ではっきり認識していなくても、何かに悩んでいたら、この本が救いになるかもしれません。

今から新しい人生を始めることができる―そう背中を押してくれるような温かい本。

田村はまだか / 朝倉かすみ

『田村はまだか』本の写真

「田村はまだか」ってどういうこと?

タイトルからしてどんな話なのか興味津々で読み始めたら、本当にタイトルどおり。

「田村はまだか」って同窓会の仲間5人が待つ話。

最初は話を聞いているバーのマスターの視点で、あだ名で呼ばれていた人物たちが、「田村はまだか」と田村の話をしながら過去を回想していく。

そうして一人、また一人とその人物の背景と名前がわかっていき、いつの間にか読んでいる自分もマスターと同じようにこの同級生たちの輪に入って、いっしょに田村を待っている。

その装置がおもしろい

どうせ死ぬから、今、生きてるんじゃないのか

そんな言葉を小学校で受け止めてしまったからだろうか。

いろいろあった40歳という年のせいだろうか。

それぞれのエピソードはどこにでもありそうな話でありながら、どことなく何か切ない。

たぶん、登場人物たちと同じ40代以降の人の方が、このなんでもないエピソードに響くのかもしれない。

作家のスタイルが独特なのか、個人的にたまに主語が誰なのかわからなくてさまよったり、こんな漢字の単語使うんだ(意味はわかるけど)…なんでこれがひらがななんだ…など、ちょくちょく立ち止まりつつ読んだ感あり。

でも、札幌のススキノの、狭い小路にあるバーの、深夜から明け方をいっしょに共有したのはいい経験だった。

ガラパゴス / 相場英雄

『ガラパゴス』本の写真

正直読んでいてツラかった。

というのも、事件を追う主人公の刑事と同じように、次々に明らかになる日本の労働環境や大企業の実態に驚きの連続で。

「今の日本、このままでいいのかな」

この本のタイトル同様、日本の携帯電話がガラパゴス化していることを知った時のように、

この本の主人公がつぶやいたセリフにめちゃくちゃ共感した。

もちろん、これはフィクションであるものの、ある程度はリアルであることが嫌でも感じられるし、全てがこうではないものの、それでもこういう実態も少なからずあるのかなと心が痛い。

事件の発端はキャビネットに眠っていた身元不明死体。

そこから主人公が地道な捜査で、被害者やその周辺の人たちの労働環境、ブラック企業、経済動向など、事件が日本社会の闇まで広がっていくのがすごい

最初はいろんな人物がそれぞれ点のように描かれているのでわかりにくいものの、ある時点で重なってからは、一気に引き込まれること間違いなし。

被害者が歌っている場面だったり、人物描写がしっかりしているのでイメージしやすく、ドラマ化されそうだなと思っていたら、すでに織田裕二主演でドラマ化された作品。

最後に:また数年たったら1万円選書に応募したい

まだ全部読んでない状態でこんなことを言うのもおかしいですが…、

また数年したら1万円選書に応募したいです!

というのも、最初の1冊からこんなに心に沁みる本を選んでもらった感激が大きいのと、自分自身も当選した当時とは変わっているため、また選んでもらえる本が違うだろうからです。

ぜひ、この感動体験をしてみてくださいね。

パンダ夫人

他の当選者の選書も読んでみたくなるよね

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